鹿児島放送番組審議会

第384回 2020年11月

KKB鹿児島放送の番組審議会は志學館大学教授で県立図書館長の原口泉さんを委員長に県内の有識者9人で構成され、放送番組の向上と適正化をめざして意見が交わされています。今回は新型コロナウイルス感染防止の観点から会の開催を見送り、「今後の地上波テレビ放送とインターネット配信の融合やあり方」についてのレポート提出としました。主な内容は次の通りです。

『今後の地上波テレビ放送とインターネット配信の融合やあり方』

  1. 地上波テレビのニュースは最低限必要な情報の見落としがない安心感がある。さらに地元ニュースの速報がインターネット配信で随時送られてくると、番組を待たずに補完的に知ることができると思う。地上波とネット配信の総合力で優れた発信をすることが大切である。
  2. テレビ局の取材に基づく正確で地域に密着した情報の重要性はさらに増してくる。スマートフォンを通して多くの視聴者に情報を届けるなど、時代に合った伝達手段への対応は必要不可欠だと思う。
  3. 世代によってテレビ離れが進んでいることは否定できない。番組の地上波放送とインターネット配信を同時に行うことは時代の変化であり、今後ローカルでも対応が求められる。
  4. 新型コロナの情報やスポーツの試合配信など、テレビ局のアプリを活用する機会が増えている。テレビ局のネットの取り組みは地上波番組の視聴率にも良い影響をもたらすと思われ、互いの強みを生かし、補い合って共に存在していけばよいと考える。
  5. 学生にアンケートをとった結果、テレビ局のアプリをインストールしていたのは2割ほどで、さらなる認知度アップが必要だ。コロナ禍でテレビには「一緒に番組を作る」仕掛けがより求められていて、ネット配信がテレビのさらなる魅力発信につながる相乗効果にも期待したい。
  6. 「地上波放送から見逃し配信」の流れは多様化する生活習慣に対応する一方、「配信があるからテレビは不要」というテレビ離れを加速させることが懸念される。スポンサー離れも想定され、視聴者をテレビ放送に誘導する仕掛けが重要となる。
  7. 新型コロナの世界的パンデミックで社会のデジタル化が加速している。コンテンツの質やサービスの利便性は高めながら、デジタル機器を使いこなせない高齢者などに格差が広がらないよう配慮してほしい。
  8. インターネットで情報を発信するメディアが増える中、地元テレビ局の強みはまさに「ローカルであること」だと思う。地域情報をきめ細かく、正確・迅速にわかりやすく届けるツールとしてアプリやサイトも充実させれば地上波との相乗効果も生まれる。視聴者からの情報なども紹介できる双方向メディアを目指してほしい。
以上のような意見や要望が出されました。
KKB鹿児島放送は今後もこれらの声を番組制作や放送活動に生かしてまいります。
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