記録的な大雨被害 支援の輪が広がる一方…通行止めの影響で閉店する店も 鹿児島


 先月の記録的な大雨で被害を受けた人たちに役立ててもらおうと被災地で車の無料貸し出しを行っている団体に車5台が贈られました。

 8月上旬の記録的な大雨で、霧島市や姶良市を中心に道路などが冠水し、車が水につかる被害が相次ぎました。

 日本カーシェアリング協会は、被災地で寄付された車を無料で貸し出す支援活動を行っていますが、貸し出す車が不足している状況が続いていると言います。

 そうした現状を受けて中古自動車の販売業者などで作る団体が災害支援車両として軽乗用車5台を日本カーシェアリング協会に贈りました。

 【日本カーシェアリング協会総務部・西條里美 部長】
「今回車を5台頂いたので支援活動に拍車がかかるというか進むのでうれしく思います」

 【JU鹿児島・新園康男 理事長】
「なるべく早い復興をお祈りしたいという気持ちで5台寄贈させて頂きました。(被災して)大変な思いで仕事をされている人、学校(に通う)生徒らに我々は貢献できたらと」

 車の寄付や貸し出しなどの問い合わせは、日本カーシェアリング協会の電話などで受け付けているということです。

 なお、大雨被害を受け、県は霧島市に続き、姶良市に対しても国の「被災者生活再建支援法」の適用を決めました。今後、住宅被害の程度に応じて支援金を支給することになります。

 一方、いまだ国道10号の通行止めが続いている姶良市加治木町の網掛橋付近。交通量が減り、近くの店に影響が出始めています。

 こちらはコッペパンの専門店、いっぺこっぺハウス。

 県産の小麦を使ったふわふわモチモチのパンが特徴で、5年前に店を立ち上げ地元の人気店でしたがー。

 【加治木南州パン いっぺこっぺハウス・木元繁 代表】
「(客足は)だいたい6割から7割くらい減ってますね。(売上は)3分の2は減っている」

 国道10号の通行止めで客足が遠のき、9月いっぱいでの閉店を決断したと言います。

 【加治木南州パン いっぺこっぺハウス・木元繁 代表】
「せっかく、5年前に立ち上げて県産小麦のパンを広めてといこうという気持ちがあったものですから、それで立ち上げたんですけども残念な気持ちですね。」

 店には閉店を知ってか多くの人が駆けつけ、12日は商品300個が4時間で完売しました。

 【お客さん】
「今月で閉店するって聞いて、ちょっと来ました。学校の給食のパンみたいなのを思い出すような親しみのあるおいしい味だったので。残念な気持ちはあります」

 【加治木南州パン いっぺこっぺハウス・木元繁 代表】
「心を込めてパンを作ってですね。最後までおいしいパンを届けたいと思います」

 通行止めが続く国道10号網掛橋付近の復旧の見通しは立っていません。

 大雨の影響で運行を見合わせていたJR日豊線の霧島神宮駅〜国分駅間について、JR九州は9月20日に始発から運行を再開すると発表しました。これで日豊線は全線で開通となります。

 
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